約 611,166 件
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/7972.html
autolink NM/S24-043 カード名:二人の砂浜 カテゴリ:クライマックス 色:赤 トリガー:2 【永】あなたのキャラすべてに、ソウルを+2。 レアリティ:CC illust. 13/10/28 今日のカード。 ・対応キャラ カード名 レベル/コスト スペック 色 恋人として 戦場ヶ原ひたぎ 2/1 8000/1/1 緑
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/27313.html
しゅいろのすなはま【登録タグ CHRIS(作り手) GUMI NexTone管理曲 し みきとP 曲 殿堂入り】 作詞:みきとP 作曲:みきとP 編曲:みきとP 唄:GUMI 曲紹介 夢のような、風のような、波のような、君のような。 PVを CHRIS氏 が、MIX・マスタリングを 友達募集P が、エンコードを 7@氏 が手掛ける。 歌い手の あり氏 の歌ってみたはこちらから。 コンピCD『EXIT TUNES PRESENTS Vocaloexist feat. GUMI、IA、MAYU』収録曲。 歌詞 ふとした瞬間に 思い出す事 君はいつも 言ってた 「海が好きなの」 遠くに霞んだ 遊覧船は すぐに消えてしまった 朱色の砂浜 しゃがみこんでは 数えきれない 貝殻の声に 耳を傾けた 重ねた指と指先が 波に溶けて うつむいた君と夕焼けが キラキラしてた 沈黙は続く 淑(しと)やかな時間(とき) 風の音もちょっと 遠慮がちみたい 目を細めては 家路を急ぐ 海鳥の影に サヨナラを告げた 朱の太陽は水平線で 目をこすって 遠くで笑う ふたりの声に嫉妬してた あぁ嘘みたい 砂だらけのシャツに 今も残っている 君の水飛沫(みずしぶき) あぁ夢みたい 重ねた指と指先が 波に溶けて ころんじゃった君と夕焼けが キラキラしてた あぁもう誰も僕達のこと邪魔できない 笑われてもいい 少しだけ 目を閉じてくれ あぁ嘘みたい 嘘みたい コメント 追加乙! -- 名無しさん (2013-11-10 22 16 59) 追加おつ、いい曲だよなこれ。 -- 名無し (2013-11-10 22 17 39) 曲も素敵だったけど、PVがすごく綺麗だった。 -- まぐなむ (2013-11-11 10 42 12) みきとPさんはハマりやすいww -- 名無しさん (2013-11-12 15 48 15) みきとさんのつくるアンニュイ系統の歌はほんとうに素敵ですきです。 -- 名無しさん (2013-11-12 16 20 39) 最高だなぁ。みきとさんの曲はどれも最高。歌詞も声もPVもきれい。 -- 名無しさん (2013-11-12 18 12 23) 最高すぎる。美しい。。。神曲~!! -- aima (2013-11-13 17 44 11) ええ曲やなぁあ -- 名無しさん (2013-11-13 19 42 26) 号泣。 -- konpota (2013-11-13 21 06 28) いい意味で静かな気持ちになれる -- 名無しさん (2013-11-13 21 37 11) やばいなぁーーーーこれは -- まっく (2013-11-14 01 11 44) なんかじんわりくる。PVが素敵すぎて -- 名無しさん (2013-11-15 01 24 39) これは泣ける -- 名無しさん (2013-11-15 12 49 27) pvもよかったです(●´ω`●) -- 名無しさん (2013-11-16 10 48 10) いい曲…(泣) -- 名無しさん (2013-11-16 19 57 14) 良すぎ -- 名無しさん (2013-11-18 13 48 15) とってもいい歌で感動しますよー -- 名無しさん (2013-11-23 21 11 41) すき -- 名無しさん (2013-12-11 00 05 19) 好きすぐる聞くと泣きそうになる -- 名無しさん (2013-12-12 18 50 58) 好きすぎて死ぬ。まじみきとさん神。 -- もきゅ (2013-12-13 16 15 59) ロマンチックで素敵な曲。PVで最後、一人ぼっちなのが何だか切ない。 -- 竜奇 (2013-12-13 16 59 24) CD買いました!最高です。・゚(´pωq`)゚・。 -- blue_cat2525 (2014-01-24 19 20 37) ギターがかっけぇ!せつねぇ! -- きじゃ (2014-01-24 19 50 31) みきうた行ってきたんですが、みきとさんによればこの曲は「高校生と大学生の男女が夕焼けの砂浜でなんか……いちゃこらしてる曲です」だそうで。…………身も蓋もねぇ(笑)! -- 名無しさん (2014-02-02 08 32 32) みきとさん大好き 歌詞とか曲とか一直線に心に響く -- 名無しさん (2014-02-03 20 30 57) 最高!! -- あうー (2014-02-22 07 54 38) 昔のアイドルっぽい曲ですきです。思わず口ずさんじゃう。 -- 名無しさん (2014-03-28 02 39 32) 切なステキ。 -- 名無しさん (2014-06-07 14 03 43) 今日初めて聴いたけど今までの人生の中で一番いい曲 -- 名無しさん (2014-06-09 17 09 18) 落ち着く綺麗なイントロ、素晴らしい! -- 名無しさん (2014-06-10 18 15 03) 最初のギター?が懐かしくて素敵 -- 桃の天然娘 (2014-06-14 22 02 17) 『あぁもう誰も僕達のこと邪魔できない』の所が凄く好き! ロマンチック(*´˘`*)♡ -- 憂杏 (2014-07-12 12 47 07) ロマンチック。 -- 名無しさん (2014-07-31 17 34 18) この曲だいすきぃぃい(●´ω`●)♡ -- かりん (2014-10-02 23 11 00) 素敵。もっと評価されるべき! -- 名無しさん (2015-04-14 19 10 11) 耳に残る曲♪ -- ゆずか (2016-08-27 02 48 38) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/blacklist/pages/243.html
【メルフレン海岸】へ 四凶の砂浜 [Lv制限]16〜 [制限時間]20分 [敵想定Lv]16〜18 [自動復活]3 [報酬金]150G [EXP]250 [クリア条件]エンシェントトレント、バーサクベア、ノーグクラーケン、ノーブルフェザーの4匹を倒す [モンスター]エンシェントトレント、バーサクベア、ノーグクラーケン、ノーブルフェザー [レアモンスター]なし
https://w.atwiki.jp/tosyoshitsu/pages/59.html
砂浜ミサゴ(ミサゴ)の作品群 ●文章 2月13日 講習まとめ(昼) 2月13日 講習まとめ(夜) 146:砂浜ミサゴ ●絵 ナツメヤシ園の風景 大貧乏:4
https://w.atwiki.jp/f_go/pages/1641.html
│ステータス│入手方法|詳細情報|性能|性能比較│その他│コメント│ 砂浜ラブレター(恐怖) No.384 礼装名 砂浜ラブレター(恐怖) 初期最大 Rare 4 LV 80 Cost 9 HP 100 タイプ 絆礼装 ATK 100 清姫〔ランサー〕装備時のみ、自身がフィールドにいる間、 - 味方全体のBusterカード性能をアップ 20% &防御力(-10%)【デメリット】 - 詳細情報 イラストレーター --- 解説 あら、ますたぁ♪ え、この砂文字は何か、ですか? もちろん、砂浜のラブレターでございますよ! ふふふ、これでこの砂浜いっぱいにわたくしの愛を 証明できました! ……さすがに後半は疲れて妙な単語が散見されますが、 この愛の前では些細なことですよね、ますたぁ? さあ、どうぞご覧になってくださいまし、まし、まし♪ 思う存分ご覧になりましたわね? ならば、ますたぁが仰るべき返答も分かるはず。 それでは声を合わせて……せ・え・の! して! あい! まーす! ……ずーれーてーるー!! 入手方法 清姫〔ランサー〕の絆レベル10達成報酬 要146.5万ポイント 性能 コメント 解説入れました。ご参考までに - 名無しさん 2017-07-12 12 42 39 乙です - 名無しさん 2017-07-12 14 38 25 夏の愛ではない。夏のホラー。 - 名無しさん 2017-09-22 15 36 14 名前 すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/llss/pages/480.html
元スレURL 穂乃果「あんっ、海未ちゃんお仕事頑張ってねぇん!」 概要 ネトラレ好き?な海未ちゃんの短編 タグ ^園田海未 ^ふたなり ^短編 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kancollewiki/pages/70.html
↑画像呼び出しのテスト +... aaaaaaaaaaaa ssssssssssss ddddddddddddddd ffffffffffffff #fold 単品 @wikiモードだとコメント行指定が効かないため、LEF などの修飾のみの行がブランク行で見えてしまう 島風型駆逐艦 No 名前 改造可能レベル 火力 雷装 対空 対潜 索敵 運 耐久 装甲 回避 搭載 速力 スロット 燃料 弾薬 特徴 10 島風改 20 59 99 59 59 39 12 36 59 99 0 高速 3 20 25 吹雪型駆逐艦 No 名前 改造可能レベル 火力 雷装 対空 対潜 索敵 運 耐久 装甲 回避 搭載 速力 スロット 燃料 弾薬 特徴 11 吹雪改 20 49 79 49 59 39 12 30 49 89 0 高速 3 15 20 12 白雪改 20 49 79 49 59 39 12 30 49 89 0 高速 3 15 20 13 初雪改 20 49 79 49 59 39 12 30 49 89 0 高速 3 15 20 14 深雪改 20 49 79 49 59 39 12 30 49 89 0 高速 3 15 20 15 叢雲改 20 49 79 49 59 39 12 30 49 89 0 高速 3 15 20 16 磯波改 20 49 79 49 59 39 12 30 49 89 0 高速 3 15 20 綾波型駆逐艦 No 名前 改造可能レベル 火力 雷装 対空 対潜 索敵 運 耐久 装甲 回避 搭載 速力 スロット 燃料 弾薬 特徴 17 綾波改 20 49 79 49 59 39 12 30 49 89 0 高速 3 15 20 18 敷波改 20 49 79 49 59 39 10 30 49 89 0 高速 3 15 20 67 朧改 20 49 79 49 59 39 10 30 49 89 0 高速 3 15 20 68 曙改 20 49 79 49 59 39 10 30 49 89 0 高速 3 15 20 69 漣改 20 49 79 49 59 39 10 30 49 89 0 高速 3 15 20 70 潮改 20 49 79 49 59 39 20 30 49 89 0 高速 3 15 20 睦月型駆逐艦 No 名前 改造可能レベル 火力 雷装 対空 対潜 索敵 運 耐久 装甲 回避 搭載 速力 スロット 燃料 弾薬 特徴 31 睦月改 20 39 69 39 59 39 12 24 39 89 0 高速 3 15 15 32 如月改 20 39 69 39 59 39 12 24 39 89 0 高速 3 15 15 33 皐月改 20 39 69 39 59 39 12 24 39 89 0 高速 3 15 15 34 文月改 20 39 69 39 59 39 12 24 39 89 0 高速 3 15 15 35 長月改 20 39 69 39 59 39 12 24 39 89 0 高速 3 15 15 36 菊月改 20 39 69 39 59 39 12 24 39 89 0 高速 3 15 15 37 三日月改 20 39 69 39 59 39 12 24 39 89 0 高速 3 15 15 38 望月改 20 39 69 39 59 39 12 24 39 89 0 高速 3 15 15 暁型駆逐艦 No 名前 改造可能レベル 火力 雷装 対空 対潜 索敵 運 耐久 装甲 回避 搭載 速力 スロット 燃料 弾薬 特徴 71 暁改 20 49 79 49 59 39 12 30 49 89 0 高速 3 15 20 72 響改 20 49 79 49 59 39 12 30 49 89 0 高速 3 15 20 73 雷改 20 49 79 49 59 39 12 30 49 89 0 高速 3 15 20 74 電改 20 49 79 49 59 39 12 30 49 89 0 高速 3 15 20 初春型駆逐艦 No 名前 改造可能レベル 火力 雷装 対空 対潜 索敵 運 耐久 装甲 回避 搭載 速力 スロット 燃料 弾薬 特徴 75 初春改 20 49 79 49 59 39 12 30 49 89 0 高速 3 15 20 76 子日改 20 49 79 49 59 39 12 30 49 89 0 高速 3 15 20 77 若葉改 20 49 79 49 59 39 12 30 49 89 0 高速 3 15 20 78 初霜改 20 49 79 49 59 39 12 30 49 89 0 高速 3 15 20 白露型駆逐艦 No 名前 改造可能レベル 火力 雷装 対空 対潜 索敵 運 耐久 装甲 回避 搭載 速力 スロット 燃料 弾薬 特徴 79 白露改 20 49 79 49 59 39 12 30 49 89 0 高速 3 15 20 80 時雨改 20 49 79 49 59 39 12 30 49 89 0 高速 3 15 20 81 村雨改 20 49 79 49 59 39 12 30 49 89 0 高速 3 15 20 82 夕立改 20 49 79 49 59 39 12 30 49 89 0 高速 3 15 20 83 五月雨改 20 49 79 49 59 39 12 30 49 89 0 高速 3 15 20 84 涼風改 20 49 79 49 59 39 12 30 49 89 0 高速 3 15 20 朝潮型駆逐艦 No 名前 改造可能レベル 火力 雷装 対空 対潜 索敵 運 耐久 装甲 回避 搭載 速力 スロット 燃料 弾薬 特徴 85 朝潮改 20 49 79 49 59 39 12 31 49 89 0 高速 3 15 20 86 大潮改 20 49 79 49 59 39 12 31 49 89 0 高速 3 15 20 87 満潮改 20 49 79 49 59 39 12 31 49 89 0 高速 3 15 20 88 荒潮改 20 49 79 49 59 39 12 31 49 89 0 高速 3 15 20 89 霰改 20 49 79 49 59 39 12 31 49 89 0 高速 3 15 20 90 霞改 20 49 79 49 59 39 20 31 49 89 0 高速 3 15 20 陽炎型駆逐艦 No 名前 改造可能レベル 火力 雷装 対空 対潜 索敵 運 耐久 装甲 回避 搭載 速力 スロット 燃料 弾薬 特徴 91 陽炎改 20 49 79 49 59 39 12 32 49 89 0 高速 3 15 20 92 不知火改 20 49 79 49 59 39 12 32 49 89 0 高速 3 15 20 93 黒潮改 20 49 79 49 59 39 12 32 49 89 0 高速 3 15 20 5 雪風改 20 59 89 59 59 39 60 32 59 99 0 高速 3 15 20 nin #table_edit2 元 #table_edit2 en #table_edit2 元 #table_edit2 tesu 新規向けページ #table_edit2
https://w.atwiki.jp/mayshared/pages/1273.html
砂浜の記憶 http //rano.jp/2839 あれは六歳のときであったと浅尾七瀬は記憶している。両親と叔母夫婦に連れられて、神奈川県の湘南へ海水浴に出たときのことだった。 両親は七瀬の面倒を見ず叔母夫婦との会話に夢中であった。海水浴の提案が出たのも、彼らが遊びたかったからである。彼らはまだ親と呼ばれるには若かった。 ひとけの無い岩場の陰。その目立たない場所が彼にとって始まりの場所であった。 鮮やかな青色をした髪の少女が、青黒くて丸い物体と対峙している。物体は五つほど砂浜に転がっており、それは幼い七瀬にとって幼稚園の教室の床に散りばめられた半透明のBB弾のように見えた。 「あなたたち、人間に迷惑をかけるのはやめなさい!」 後ろ髪のブルーが陽炎のように揺らめき立っている。少女は物言わぬ球体に声を荒げていた。球体はグラウンドに放置されたままのボールのようにまったく生き物らしき反応を見せることなく、じっと動かない。下部分が少し砂浜に埋もれている。その重みがむしろこの物体たちに不気味な存在感を帯びさせている。 ところが突如として丸い物体から、シュンと何かが飛び出した。触手だ。少女の脳天を射止めようとする並々ならぬ殺意。どんなに硬いものでもまるで布に針を通したときのように、音もなく穴を開けてしまいそうな鋭さ。 触手が飛び出した時点で、覗き見をしていた七瀬は岩場から飛び出していた。 思わぬ事態へと進展した。七瀬は横切るよう少女の前に躍り出る。飛んできた触手が彼の右ひじに直撃した。触手は腕をたやすく砕き、肘から先を落としてみせた。 「何てことを!」 七瀬が絶叫しながら砂浜に転倒したのと、少女が驚愕して怒鳴ったのは、同時に起こった出来事だった。 「ひい・・・・・・っ! うぁあ・・・・・・!」 脂汗が額にまとわりつき白黒の砂粒がべっとり付着する。顔を強く歪ませてのた打ち回った。そんな七瀬を前にし、少女はキッと表情を一変させ青い物体を睨んだ。 「表社会だからって、手加減をしたのが間違いでした」 そして大異変は起こる。からっとした青空は突然電気を消されたように黒くなり、おとなしく白波を立てていた海岸も地獄の入り口が開いたかのように激しい渦を巻き、轟く。 「海神として命ずる。その方、我が荒波によって愚かな心を洗い流してきたまえ!」 ドンと波打ち際に巨大な壁が立った。眼前に一瞬で堤防が広がったかのようだった。海神は反逆者たちに、怒り猛る津波を見せつける。 物体たちは本体から無数の触手を展開させ、謝罪や命乞いを表明しているかのように恐れおののいた。しかしまるで地すべりを起こし大量の土砂を押し付けてくる山肌のごとく、津波は容赦なく彼らを叩き潰してしまった。 波が引き、天候も怒りが収まったかのように元の穏やかさを取り戻す。敵は跡形もなくなった。海神は腕をちぎられて苦しんでいる七瀬のところに寄る。 「その無茶、感心しましたよ」 くすっと苦笑を見せながら海神は七瀬に両手をかざし、力を込めた。すると先を失って行き場なく血液を吹き出していた肘のあたりに、喪失していた部分が復活した。やがて七瀬の呼吸が落ち着きを見せ、うっすら両目を開けられるぐらいまで回復する。 「回復が早い。もしやあなた普通の人間でない?」 七瀬は透き通った日光に体を温められ目を覚ますいつもの朝のように、ゆっくりとした動作で起き上がり少女を見る。 お姉さん、と七瀬は感じた。背丈や顔つきから伺える年齢はほとんど同じぐらいなのに、彼はこの少女が自分よりもずっと年上であると感じていた。 声が大きくて、ゆったりと聞きやすい口調をしていて、言っていることが明快で、だけど内容が難しくてわからない。 幼稚園でも彼女ぐらい落ち着いた雰囲気をかもし出す女の子は見られない。五、六歳ぐらいの子供といえば魅力あるものを探し求めてあちらこちら走り回る、子犬のようであるべきだ。言動も素朴な無邪気さが備わっていなければならない。 「異能者。あなたはそう、異能者なのです」 「お姉さんは誰?」 七瀬はそう彼女にきいた。はなから少女の話など聞いていなかった。彼女は七瀬にそれこそ幼い子供に対して向ける、静かな微笑をしていた。白波が足元近くまで押し寄せ、しぶきが跳ねる。冷たい。少女も七瀬の質問に答えずに、両方の手のひらを真上に向けてさらした。七瀬とは違いほとんど日焼けの色はなく、周りの砂浜と同じぐらい白かった。 彼女の両手の上に、「剣」が出現した。 これには七瀬も言葉を失った。深い青色の長剣だ。その青さは何かにたとえるとしたら、彼は空よりも海の色のほうがふさわしいと思っていた。 「持ってごらんなさい」 言われたようにすぐ七瀬は手を伸ばした。疑うことを知らない真っ直ぐな好奇心を示してみせるかのよう、剣を右手に持る。剣は重みまったく感じられず、立派な玩具をもらってしまったと彼はますます喜んだ。 とたん剣は青い発光体となり、溶けこむように七瀬の右腕に吸収された。剣は消滅した。丸い目を何度もまばたかせ、自分の右腕に異変はないか、じっと見つめたりひねってみたりしている七瀬に少女は言う。 「勇敢な異能者の子供よ、それで守りたいものを守りなさい」 右腕から目を離し、少女の瞳を見る。 「その剣で悪いものを斬りなさい。害あるものを斬りなさい。海神として命じます、あなたは異能者として戦うのです」 少女の瞳は七瀬にとってまったく知らない緑をしていた。彼の使っているいかなるクレヨンをもってしても、彼女の目の色は表現できない。 「弱き者を、優しき者を、そして本当の意味で善い者を守るために――」 もう一度、右腕に視線を移す。不思議な力を付与された彼の体は先ほどよりもずっと濃厚で熱い血液が巡り、活力に満ち満ちている。 「お姉さんは、誰」 七瀬は彼女にもう一度そうきいた。目を輝かせながら、顔を上げて。 少女は姿を消していた。 真っ直ぐ前を見る。目の前に海が広がる。色とりどりのスーツに身を包んだサーファーたちが、嬉々として押し寄せてくる新たな波へと向かっていくところであった。 背後に大きな絵の描かれた看板があった。それは青いクラゲに毒針を刺され、大泣きしている少年の絵だ。『カツオノエボシに注意!』。 慎重な足取りで岩場を脱し、海水浴場に戻る。両親や叔母夫婦は相変わらずおしゃべりに夢中であり、ふらふらと一人で離れていった七瀬のことなど全く気にしていない。 それから十年後のことである。東京都双葉島で、ラルヴァの獣人を一人の青年が攻め立てていた。彼は青い色をした長剣を担ぎ、自分より未熟な人物に対して人が見せる、屈辱的な苦笑をしてみせた。 「ほぅら、どうした。すっかり弱気になっちまいやがって」 「貴様、図に乗るな!」 灰色の皮膚に覆われた獣人は拳を握り、大きな動きで彼に殴りかかった。鼻のあたりに根元からへし折られた角がある。額が割れており、黒い血液が目元や頬にそって流れ落ちていた。 「終わりにしてやる。宝剣『インディゴ・ブルー』!」 握りなおした長剣が強く輝く。魂源力の込められた宝剣は一回り大きくなり、圧倒的な力を見せつけた。 真上から降ってきた拳をすっと前に進んで避けつつ、真横に剣を振る。全ては一瞬の出来事で、青年は冷静に隙を突いていた。がら空きになった獣人の腹を仕留めたのだ。 獣人は力なく崩れた。後ろを振り向いて確認する必要のないぐらい、彼は完璧に敵を斬った。水を切るようピッと振り、宝剣から魂源力を解除。役割を終えた剣はすぐに消滅する。 「ふん、これでどうだ。何があったか知らねえが、つまんねえ騒ぎ起こしやがって」 青年がジロリと視線を向けた先には、白衣姿の研究員が四、五人ほど一つに固まって震えていた。恐怖によって腰が抜け、情けない愛想笑いを青年に示している。彼らが言うには、突然あの灰色の獣人に襲われたというのだが。 「・・・・・・こんなことで許されると思うな、人間め」 青年は驚いて背後を振り向いた。仕留めたはずだった。しかし獣人は激しい憤怒の形相で、彼の目の前で立ち上がってみせたのだ。 「俺は被害者なんだぞ! 遺伝子から造られた、人工ラルヴァ計画の生体実験体だ!」 「何だって!」 衝撃だった。彼はてっきり、このラルヴァが一般人科学者に危害を加えていたと思い込んでいた。だから剣を手に戦った。 「害悪? 駆除? 笑わせるな! いったいこの地球上でどちらが有害といえるのか、考えたことがあるのかね? 双葉学園生・浅尾七瀬よ!」 「く・・・・・・!」 「人間め。その傲慢さが、いつまでも許されると・・・・・・思う・・・・・・な・・・・・・!」 獣人は前のめりに倒れて力尽きる最期のときまで、七瀬に堂々とした姿を貫いてみせた。じっと無言で彼を讃えずにはいられない、凄まじい生命力であった。しばらく口を開けて黙っていた七瀬だが、敵に対して向けたものよりもいっそう鋭い視線を、激しい怒りの眼差しを、研究員たちに突き刺す。 「どういうことだ!」 彼らはおろおろとまるではっきりしない口調や話し方で、七瀬にこう説明する。 あのラルヴァは本人が言っていた通り、駆除によって倒されたラルヴァの遺伝子でゼロから作成されたクローンであった。研究の目的はこうだ。ラルヴァの養殖技術を確立させ、より実践的な異能者教育・教材・訓練の材料にすること。あるいは人間の手によってさらなる生体実験や改造を施し、異能者がラルヴァをコントロールして使役するようにすること。聞けば聞くほどおぞましい話は出てきた。 七瀬は泣きそうになった。こんなろくでなしの連中が俺の守りたかったものか。俺が力を使ってまで、命をかけて戦ってまでして守ったものか。 こんな「命」を好き勝手に弄ぶある意味ラルヴァよりも恐ろしい非道な連中どもを、俺は守ってしまったというのか。 「くそったれ!」 そう吼えて七瀬は現場を後にする。腰を抜かしたままでいる研究員たちをその場に放っておき、一人歩き出した。 七瀬の剣は悪いものを斬るためにある。害あるものを斬るためにある。 「俺はあのラルヴァを斬ってよかったのだろうか」 眼球をわなわな震わせながら彼は思った。斬られるべきはラルヴァを道具や素材として扱い、彼らの苦しみや悲しみや怒りに何一つ耳を傾けようとしなかったあの研究員たちではないか。ラルヴァも異能者も平等にみなすべきだという意見があることを七瀬は学校で学んだ。ならば、異能者を斬るのも異能者のやるべきこと、すなわち自分のやるべきことではないのか。 彼がここまで異能者としての行為を気にし、己が剣を振ることにストイックに意味を追い求めるのには確かな理由がある。 『その剣で悪いものを斬りなさい。害あるものを斬りなさい。海神として命じます、あなたは異能者として戦うのです』 六歳の頃にあの砂浜の岩陰で海神の少女に宝剣を託されてから、七瀬はずっとその啓示について考えてきた。悪いものってなんだろう? 害あるものってなんだろう? 異能者として戦うってどういうことだろう? そんな彼が罪のない一方的な被害者である、あのラルヴァを斬ってしまったことに激しいショックを受けてしまったことは当然のことなのである。彼は繊細な性格をしていた。 そうして落ち込んだ気分のまま一人歩いていたら、ズボンのポケットに入っているモバイル学生証が振動した。着信か、メールか、学園からの連絡事項かのうちどれかだろう。 手にとって液晶を見る。そして、気持ちの揺れ動きあちこちにぶれていた七瀬の表情が一つに固まった。 受領したものは学園からのラルヴァ討伐依頼であった。前線で戦う主戦闘系異能者にとっては珍しくないもので、何度か彼もラルヴァの暴れる各地へ飛んでいったことがある。 場所は神奈川県藤沢市だった。 つまり、彼の故郷だ。 「わぁ、すごい」 「ほら、海よ○○ちゃん」 江ノ電の運転室後方に陣取っている親子連れが、彼らを豪快に出迎えてくれた相模湾の雄大さに興奮している。七瀬はそのさらに後ろの座席で肘を着き、どこか冷ややかな視線で彼らのことを眺めていた。 ああしてはしゃぎながら海に連れ出した、自分の親のことを思い出していた。七瀬の両親はとても若い。特に二十代だった頃の彼らは何かと叔母夫婦と共に行動し、土日には七瀬をショッピングだの山だの海だの連れまわした。友達に一緒に遊ぶことを誘われても断らなければならない苦痛や悲惨さを嫌というほど味わった。 「あんなに楽しそうにはしゃいじゃって、まぁ」 心底面白くなさそうに言った。どうも心がすさんでいていけない。帰郷したのが一番影響しているのだろうと彼は思っていた。七瀬の機嫌が悪い原因は、数時間前のちょっとした帰宅にあった。 実家にいた母親は、色使いの派手な衣服に身を包んで現れた。家の外も中も、見たことのない調度品で敷き詰められていた。もう一台お買い物用の車を買ったのよ、と聞いたとき七瀬は「知るか」と返した。 浅尾七瀬は、異能者であったということで双葉学園から入学のお誘いが来たタイプの生徒である。将来性のある異能者の教育のためお宅のお子様をぜひ学園に預けてみませんかという胡散臭い一文より、真っ先に両親が目に付いたのは学園から出される報奨金の桁数であった。 子を異能者として育てること。子を親元から離して外部から遮断された環境に置くこと。そして何よりも子を異能者としてラルヴァと戦わせること。それまで普通の家庭で普通の子供として育ってきた異能者には様々な「配慮」がなされ、露骨にもそれが毎月の報奨金の額に表れる。 両親は大金に目がくらみ、あっさりと七瀬の島送りを容認した。その卑しさが数々の調度品やどうせ誰も弾けやしないグランドピアノ、小奇麗にリフォームされた実家の内装にしつこいほどあからさまに表れていた。日ごろ死ぬ思いをしながら訓練をさせられ、戦闘に駆り出される七瀬にとっては非常に面白くない。 たった一時間ほどの滞在で彼は実家を離れ、藤沢駅のターミナルから江ノ電に乗り込んだのであった。当面彼があの家に帰ることはないだろう。 「まぁ、そろそろ気持ち切り替えなきゃな」 彼はため息一つついた後、モバイル学生証を取り出し今回の案件を再確認する。 湘南の海岸――七里が浜の海水浴場で、異常な巨体を持つ青いクラゲが頻繁に現れているそうだ。クラゲは先端の鋭い触手でもって人間たちに襲いかかり、毒針で危害を与えた。 特筆すべきはその発生頻度と個体の数である。この夏の時期毎日のように目撃され、中には数十匹ものクラゲに取り囲まれて命からがら逃げることのできた人までいたそうだ。 クラゲはラルヴァに違いなかった。よって過去も何度か双葉学園から異能者が派遣され、その都度一通り駆除してきた。しかし被害は年々増え続けるばかりで、先月とうとう先日毒針による死者が出た。七瀬はこれまでとは違い事件の全面解決を任された。事件の不可解さからしばらく藤沢に滞在し現地調査を行う必要があるかもしれない。だから出身者である彼が選抜された。 七瀬は確認を終え窓の外を見る。江ノ電は駅に到着していた。車内は静かになっていた。列車が鎌倉高校前駅を発車すると、すぐ通過する踏切に先ほどの親子が笑顔で並んで立っている。スラムダンクのアニメももう何年前の話かな、と七瀬はそんなことを考えていた。 気持ちに余裕が欲しかった。東京から藤沢に至るまでの間、彼はずっと今回の事件と自分の経験談の妙な共通項の数々に、何か暗合を感じてあれこれ考えられずにはいられなかったのだから。 「ひどいな・・・・・・」 七瀬は途方に暮れたように立ち尽くし、そう呟いていた。やがてねずみ色の砂浜に足を踏み入れる。 砂浜はペットボトルやコンビニのビニール袋といった廃棄物でひどく汚れていた。この辺り一帯はゴミが目立った。本来自然の香りであるはずの磯の匂いが、これらのゴミがもたらしている悪臭のように思えて軽くむせる。昨晩若者らが羽目を外したのだろう、花火の燃え滓が一つにまとめられて放置されており海風になびいていた。 これほど生き物に恵まれないものが海なのか。七瀬は討伐や遠征で日本海の漁港や沖縄のさんご礁も見たことがある。どちらの景色も色彩は彼の感覚をはるかに凌駕した圧倒的な明るさや深みをもって襲いかかり、感激すら覚えた。 それに比べて地元の海水浴場の汚さといったら。記憶の中の砂浜とは別の場所であるようにしか思えない。 「ちったぁ掃除しろよ」 さび付いて塗装のはがれた空き缶を蹴っ飛ばす。真っ白に干からびた貝殻にぶつかる。もはやこれは海などではない。人間しか存在しない人間だけの公共浴場だ。心の汚れた人間の油や垢がふんだんに含まれている、汚染された下水そのもの。七瀬は足元近くに及んできた屑まみれの白波を横目に砂浜を歩いていった。 海水浴場の奥のほうに行った端には巨大な岩石が海岸に押し寄せており、高く積みあがっている。七瀬はそんな岩場を軽々と越えてさらに奥へ進む。六歳の自分は岩にしがみつきながらでもないと、この難所を乗り越えることはできなかった。それが今では単なる石ころのようにちっぽけに見える。 「さて、この辺りのようだが」 とうとうクラゲのラルヴァが多く目撃される場所に到着した。それまで落ち着かなかった精神が、一気に一つにまとまって気持ちが充実する。帰省気分に浸るのはもうおしまいだ。いよいよ戦いが始まるのだ。 彼の背後には塩害によってひどく腐敗し、ボロボロに穴の空いた看板が立っている。辛うじてそれは『カツオノエボシに注意!』の文字が読めた。一緒に何かしら絵が描いてあるようだが、痛みがひどく判読は不可能であった。 そして敵はやってくる。モバイル学生証のラルヴァセンサーが反応を示したのだ。低級ラルヴァの発生を知らせる点滅音を聞きながら七瀬は笑顔になり、右手に力を込める。 「宝剣『インディゴ・ブルー』!」 右手に全長二メートルほどの長剣が姿を現す。剣は青い炎で揺らめき立っており、この地上のいかなる悪意も静かに滅ぼしてしまうだろう穏やかで神聖な色をしていた。 七瀬が十年前、まさにこの場所で海神の少女から得た神秘の力だ。長剣は彼の成長とともに発達し、色合いが深みを増し、彼の通り名「インディゴ・ブルー」の由来になる。七瀬にとって異能者としての始まりであるこの場所で、それも因縁の敵相手にこの力を使えるなんて。仕組まれたような数々の偶然に彼は興奮せずにはいられない。 と、そのとき小刻みにやってくる波に混じって、遠方から丸くて青いものが接近してくるのを確認した。数は十体ほどだ。以外に多いなと呟いてから七瀬はさらにこう言う。 「さて――いつぞやのリバイバル・マッチだ」 すっかり手に馴染んだ長剣を振りかざし、彼は堂々と構えた。接近してきた敵は明るく発色しすぎてむしろ毒々しい水色の体を持ち、風船のような本体から何十本もの触手を根のように生やしている。カテゴリー・ビースト「カツオノエボシ」だ。 ごく一般の電気クラゲ・カツオノエボシも非常に危険な海洋生物として有名だ。触手の毒針にやられると醜悪な水ぶくれと共に激痛が走り、最悪の場合死に至ることもある。だが七瀬が目の前にしているのはそれよりもさらに凶悪で危険な「ラルヴァ」である。一体のカツオノエボシがとうとう上陸し、砂浜に多数の触手を引きずって七瀬に近づいてきた。やがて触手の先を弾丸のように飛ばしてきた。 七瀬はそれを長剣で右に払う。そして走って接近、戦闘が始まった。 弾幕のように押し寄せてきた無数の触手の毒針を、払ったり避けたり。全力で疾走しながら七瀬はカツオノエボシに向かっていく。至近距離に入ると自慢の宝剣に魂源力を込め、駆けてきた勢いのままに斜め上へとぶった斬った。 攻撃をもろに喰らったカツオノエボシの体が裂け、ばらばらになった体を砂浜に落とす。撃破された個体は消滅した。思いがけない七瀬の強さに、群れにはっきり「躊躇」が表れた。 「昔よくも右腕千切ってくれたな。十年前の復讐だ!」 透明感のある青い扇形の面が宝剣インディゴ・ブルーのなぞった軌跡となり、腕を振り上げた七瀬の前にくっきり残像として残る。その上下に散らばるは、無残にも切断されたカツオノエボシの触手たち。 「何十匹でも来い。俺が全て叩き潰す!」 傾いた日に反射して相模湾は白く眩しく輝いている。特徴のある江ノ島のかたちがだんだんと影絵のように黒くなってきた。 七瀬は汗まみれになり、肩を激しく上下させて砂浜に座り込んでいた。二時間ほど、無尽蔵に沸いて出てくるカツオノエボシと戦闘を繰り広げていた。三百匹は八つ裂きにして葬った。 彼は疑念を抱いていた。どうもおかしいと思っていた。カツオノエボシの群れにしては数が多すぎる。豊富な経験から一つの予測を確かなものにしつつあった。 「親玉がいるな・・・・・・」 彼が六歳のときに襲われてから、このクラゲラルヴァたちはボスを中心にして繁殖してきたに違いない。双葉学園の異能者がたびたび派遣され駆除してきたのにも関わらず、被害者の数が年々右肩上がりになっていったのも筋が通る。 と、そのときだった。モバイル学生証が一定に流れる甲高い電子音を鳴らせたのだ。 七瀬はばっと立ち上がり、インディゴ・ブルーを構える。歯を食いしばり頬に汗を流す。これまでの雑魚とは比べ物にならない、中級クラスのラルヴァが七瀬のもとに近づきつつあるのだ。恐らくカツオノエボシの親玉だ。 そして、それは姿を現した。 いったいいつの波に乗ってやってきたのか、いつの間にか波打ち際にたたずんでいた。白い薄地のワンピースに、青く燃える後ろ髪。十年前に出会ったときよりもずっと背は高くなっており、女性らしい丸い肉付きをしていた。 七瀬は言葉を失っていた。彼の記憶しているエメラルド・グリーンの優しい瞳は、まるで砂浜に打ち上げられた腐敗した海草のようにどす黒い緑色をしている。目元は異常なまでに吊りあがり、強く戸惑う七瀬を外敵として睥睨していた。 何より彼が受け入れがたかったものは、彼女の頭に乗っている青い物体である。カツオノエボシだった。クラゲラルヴァの体が彼女の頭部と同化し、髪の毛と共に無数の触手を下ろしていたのだ。 「愚かな人間め。海神に逆らえば命は無いですよ」 「お前・・・・・・! どうして人間たちを・・・・・・!」 「人間は害悪だからです」海神の娘はきっぱり言いきった。「御覧なさい。人間たちは海を汚し多くの命を踏みにじりました。ビニール袋を飲みこんでウミガメが死にました。重油を垂れ流して海鳥が苦しみました。浅瀬を干拓し魚たちの住処を強奪しました」 信じられなかった。七瀬に戦う力を与え、異能者としての使命を与えたあの少女が、このような豹変を遂げて再び彼の前に現れるなんて。 「人間は海から生まれ海とともに生きてきました。それなのに、いつしか海に対する感謝の気持ちも忘れ、あろうことか海を汚染し、生物を乱獲し、資源を貪り取っています。これは母親に対する強姦行為そのものです。だから私は人間によって生命を脅かされている海洋生物、ラルヴァ、そして海を守るために、害悪な存在である人間を駆除することに決めたのです」 「それで、こいつらクラゲどもと一体になっちまったってのか・・・・・・!」 残酷な現実だが受け入れなければなるまい。かつてカツオノエボシから人間たちを守り、七瀬に特別な能力を与えた海神の少女はもういない。現実を見誤ってはならない。目の前にいるのは敵だ。人間に危害を加える討伐対象のラルヴァなのだ。七瀬はインディゴ・ブルーを構え、いよいよ覚悟を決めて魂源力を流し込んだ。 「お前がくれた剣だ。これも忘れてしまったのか」 「・・・・・・存じません」 「悪いヤツを斬れと。害のあるヤツを斬れと。お前に言われて手にした剣だ」 「・・・・・・存じません」 「俺に異能者として戦えと、そう言ってお前がくれた剣だ!」 「・・・・・・デタラメもいい加減になさい、ニンゲン風情め!」 彼女の両目が瞬いた。するとまるで蛇のように頭部の触手がゆらゆらと蠢き、一度に何百本も七瀬に襲いかかってきた。全て毒針だ。たった一本でも皮膚に被弾したら命は無い。 しかし彼は剣を左右に払い、襲いかかってきた触手を薙ぐ。触手の先が青い炎に包まれボトボトと砂浜に落ちる。海神の娘は驚愕していた。 「俺は、お前を斬る――」 七瀬の耳から波の轟きが消える。引いては押し寄せる波の繰り返しが全て停止する。彼はインディゴ・ブルーに力を注ぎ、彼女の真横を通り抜けるようにし、抜いた。 目を見開いて驚いたままの海神の首が、足元に落下した。ばしゃんという波打ち際に落ちた音を聞いたとき、止まっていた波も黒点となっていた海鳥も再び動き出した。七瀬は彼女を討ち取ったのだ。 「絶対に許しません。異能者のニンゲン・・・・・・」 もう七瀬は彼女の言葉に耳を傾けない。剣を払うように振り手元から消去する。背後では首を失った娘の体が細かい砂となって崩れ、風に煽られて飛んでいった。この広大な砂浜に、景色に溶け込んでいった。醜い憎悪の表情を見せていた頭部も、それに続いて粉々になって消滅する。 それでも七瀬はもう二度と彼女のことを見ようとしなかった。 「あれはラルヴァだ。危険で害悪な化物なんだ」 勝利した者のするものとは思えない、空しい顔をしてそう言った。 気づけば日はほとんど落ちており、西の地平線だけがろうそくに照らされたようにとても赤い。街灯が長い国道に沿って並び、長い線を作って遠くに続いている。 戦いは終わった。斬るべきものは斬った。双葉島に早く帰ろうと思ったそのとき、翳った足元の砂浜の砂粒が非常に小さくて細かいきらめきを見せた。 それは誰かが残していった涙であるように七瀬は思えた。 トップに戻る 作品保管庫に戻る
https://w.atwiki.jp/ogasawara/pages/1955.html
砂浜ミサゴ@レンジャー連邦様からのご依頼品 …………。 熱いという言葉を、何と言い換えよう。 …………。 熱いという感覚を、何と取り替えよう。 …………。 ノ/…イズ/……混じり……/ノ……。 …………。 パルスが。-・―・――・――・――。 …………。 ザ ざザ ザざ ZAAAAAAAAA……。 …………。 明滅する。チカ・チカ・意識に火花が。 …………。 ど く ん。 体を内側から叩かれた音がする。 ど く ん。 体を内側から熱かれた音がする。 熱-音-熱-音-熱-熱-音-。 ざ ざザ ザざざ-・――・―・―――・Tiカ・チKa・ぴ・GAAAAAAA…………。 それが心臓であることを理解したのは、彼女が一面の灼光に目を圧されたからだった。 彼女が一面の灼光に目を圧されたから、それが心臓であることを理解したのはだった。 彼女は、それが心臓であることを、一面の灼光に目を圧された、ながらに、したのは。 …………。 音が物質化したかのような、カンとした衝撃に突然襲われる。 【*電網適応-ヲ-正常-ニ-開始-シマシタ*】 結晶化する破砕音が自分の中から聞こえてくる。 銀を掃いたような20,000ヘルツoverの金属音、に、耳ではないところの何かが、可聴域を超えた、高周波を、 捉えた。 銀色の髪。淡く波打つ。 波打つ。丁度、風と水とが海原を島に打ちつけて、力場をありあり示していく、その様に似た、力強い、命の美しさで、アイドレスは彼女に似姿を着飾り付けていた。 「…………。」 絡む耳元を、確かめるようにして、手で、撫でつける。 その振動が、頭骨を伝い、鼓膜を震わし、聞こえた。 気がつくと、絶え間ない、幾重にも織り上げられた波音……潮騒に、気づいていた。 どくん、どくん、どくん。 眩く放射される陽熱にも、負けじと早足に胸の内側から熱い血潮を伝える臓器がある。 平素よりは、1割ほどテンポアップしているだろう。 ぷつ、ぷつ、肌に、汗腺の押し開けられる、瑞々しい感触がある。 気温は30度を軽く超え、『生身』の慣れを超えたところに置かれているが、違和感こそ覚えども、体に掛けられている負担で鼓動が高鳴っているわけではなかった。 (……また、ここに来たんだ。) 巻き上がる風に膝元を押さえながら、品良く鼻の上に載せられている眼鏡越し、どこかを憂えたまなざしで、砂浜ミサゴは太陽を見上げた。 レンジャー連邦の空が、広がっていた。 /*/ 手の中には小さな包みがある。 銀紙の、厚くパリパリした型の感触が、持つ、指の腹には返っている。 潮風と熱で傷まないようにと、ふうわり、生地の薄い、青色の紙包みに収まっている、その中身は手製のマフィンだった。 砂踏む浅い細々とした足裏の沈みに、改めてミサゴは、今、アイドレスにいることを実感していた。 久方ぶりの適応で、そして、こうして密にニューワールドという世界を感じられるゲームの場は、今日が、初めてのことである。 指先にはプラスティックとゴムバネの押し返す弾力があると同時に、確かに別の、砂漠の島国であるところの、独特のねつい潮風に晒され、ほんのりとべとついた紙包みや、その中身の感触が、返って来ている。 両腕と脳とが直結し、まるで独立したもう一つの思考回路を形成してでもいるかのように、もう一人の自分を、モニターの向こう側、開かれたメッセンジャーウィンドウ上に、投射しているのだ。 緊張に、呼吸をすると胸が痺れるのは、きっと向こう側も同じだろう。 だったら、今から向こう側で会うのは、やっぱりこちら側で会うのと、同じなんだ。 【心】が、青く震えた。 等質の粒子を振り撒いて世界は彼女と呼吸する。 物質以外の何物も存在しない世界が、心を宿して、青く、輝く。 青き心の報せは彼女に世界を見せている。 「芝村 の発言 OK レンジャー連邦だからね 2分ほどお待ちください」 「砂浜ミサゴ の発言 了解です。ありがとうございます。」 同じだが、違う世界を見せている。 「芝村 の発言 /*/」 モニターを彩る文字が消失した。 熱と鼓動が戻ってくる。 …………。 海辺を、やって来る。 (…………。) 小さな黒いシルエット。 「…………。」 やがてシルエットは、面長の頭部に比して、なお、横幅に張りがあり、太くスマートに引き絞られた肢体による、縦長の頭身を持つ、大柄な人物であることを、彼女の瞳に映していく。 オールバックに固めた金の髪。ゆったりとだが、無理のなく、均整の取れた歩幅で、長く伸びた脚部に相応しいストライドでやって来る足取り。彫り深い顔立ちまで、ああ、その目で認められる距離まで来てしまえば、彼が誰なのかは、今日という日を約束せず、語られずしてさえ、きっとミサゴには感じてしまえただろう。 火星で最初に出会ったその男と女は、世界を隔てて幾度も互いのために戦い、けれども、時と心に隔てられ ――――けれども、それでも、再会した。 赤い、恥らいの熱が、胸から顔へと、鼓動し、昇る。決して豪華とも、絢爛などとも呼べない、躊躇いに鈍った足の動きで、ミサゴは男に歩み寄る。 緊張に口元が硬くなる。 お腹の上、素肌のへそに抱え込むようにして、マフィンの包みを精一杯隠しながら、高い位置にある、その顔を見上げる。このニューワールドの、この国では、そこには愛が宿るのだったか。そんなこと、忘れるはずがない。この国は、私の国なんだから。この人は、私がずっと、大好きだった人なんだから。 ドランジさん。 「もう逢えないと、思っていた。」 男の、穏やかな、そして自分と同質の憂いを帯びた、その瞳に、心の中にしかないはずの世界と、物の中にしか存在しないはずの世界の胸とが、二つ、同時に痛切を覚えた。 私は、アイドレスに帰ってきたんだ。 (城 華一郎) 作品への一言コメント 感想などをお寄せ下さい。(名前の入力は無しでも可能です) 名前 コメント ご発注元:砂浜ミサゴ@レンジャー連邦様 http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/cbbs_om/cbbs.cgi?mode=one namber=2693 type=2673 space=15 no= 製作:城 華一郎@レンジャー連邦 http //cgi.members.interq.or.jp/emerald/ugen/ssc-board38/c-board.cgi?cmd=one;no=2454;id=UP_ita 引渡し日:2010/06/20 counter: - yesterday: -
https://w.atwiki.jp/holyland4/pages/239.html
【 墓森アラシ VS 森乃 九 】 ( 3ターン目 ) 戦闘地形:『砂浜 』 [ 墓森アラシのステータス ] HP:22 MP:6 着衣:3 攻:0 防:0 体:25 精:4 反:0 FS:8 ガード率:0 回避率:0 クリティカル率:8 (スキル) 人外 , 不死身の戦士 , (アイテム) テーマソング, (怪我) 右腕骨折 , (技配置) ①回避 ②気合 ③発勁 ④ボディプレス ⑤必殺技 ⑥必殺技 . [ 森乃 九のステータス ] HP:244 MP:7 着衣:3 攻:0 防:2 体:26 精:6 反:2 FS:3 ガード率:10 回避率:4 クリティカル率:3 (スキル) 成長戦略 , , (アイテム) , (怪我) 鼻血×1 , 右足骨折 , (技配置) ①発勁 ②発勁 ③発勁 ④必殺技 ⑤発勁 ⑥発勁 . ≫スキルの効果適用 なし . ≫アイテムの効果適用 「テーマソング」の効果により森乃 九のMPに2ダメージ . ≫怪我の影響 なし . ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~【第1ラウンド】~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ [ 墓森アラシ ] HP:22 MP:6 着衣:3 [ 森乃 九 ] HP:244 MP:5 着衣:3 . ≪行動ダイス≫ 墓森アラシ : 6(+0)〔必殺技〕 /森乃 九 : 5(+2)〔発勁〕 ⇒ 森乃 九の先攻 . ◆ 森乃 九の行動:発勁 ◆ ∵クリティカル判定(3%):96 ⇒失敗 ∵敵の回避判定(0%):47 ⇒失敗 ∵敵のガード判定:不可 墓森アラシに20のダメージを与えた (消費デメリット:MP‐2) . ◆ 墓森アラシの行動: 必殺技 ◆ ∵クリティカル判定(8%):44 ⇒失敗 ∵敵の回避判定(4%):50 ⇒失敗 ∵敵のガード判定(10%):89 ⇒失敗 森乃 九に1のダメージを与えた (消費デメリット:MP‐5) ∵制約 心身欠損ロール:10 ⇒ \無傷!/(何もなし) . ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~【第2ラウンド】~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ [ 墓森アラシ ] HP:2 MP:1 着衣:3 [ 森乃 九 ] HP:243 MP:3 着衣:3 . ≪行動ダイス≫ 墓森アラシ : 1(+0)〔回避〕 /森乃 九 : 2(+2)〔発勁〕 ⇒ 森乃 九の先攻 . ◆ 墓森アラシは回避行動を取っている ◆ . ◆ 森乃 九の行動:発勁 ◆ ∵クリティカル判定(3%):32 ⇒失敗 ∵敵の回避判定(50%):98 ⇒失敗 ∵敵のガード判定:不可 墓森アラシに20のダメージを与えた (消費デメリット:MP‐2) . 森乃 九の勝利! 【怪我判定】 墓森アラシ:ダイス目 19 ⇒ 鼻血 森乃 九:ダイス目 61 - 残り体力補正 100 = -39 ⇒ 無傷 【再起不能判定】 ∵墓森アラシの基本再起不能率:5% ∵鼻血×1= 3% ⇒ 再起不能判定(100 - 8 = 92%):48 ⇒ 成功 墓森アラシはまだ戦える! 【成長判定】 ◆ 墓森アラシの成長 ◆ 精神力: -1 体力: +2 ◆ 森乃 九の成長 ◆ 精神力: +1 体力: +1 【獲得賞金】 ◆ 森乃 九 ◆ ≫ 基本獲得賞金:100万円 ∵ ランク差ボーナス:+0万円 ≫ 合計:100万円 活力残量(連戦用) ≫ 地形「砂浜」の効果により回復(HP+10,MP+5,着衣+1) 森乃 九(勝利) HP:253 MP:6 着衣:3